投資で利益が出る人間(トータルで勝ち続ける傾向にある)というのは、大衆とは違う見方をするのだが、これを判別するには、簡単な質問でわかる、というのが以下の質問である。
一度、真剣に回答みてほしい。
判別テスト
さて、あなたが投資で利益が出せる人なのかどうか、早速、チェックしてみよう。
問1:
A 100%確実に80万円がもらえる
B 85%の確率で100万円がもらえる。しかし残り15%の確率で報酬はゼロ
AとBどちらを選択しますか?
問2:
A 100%確実に80万円がもらえる
B 85%の確率で100万円がもらえる。しかし残り15%の確率で報酬はゼロ
AとBどちらを選択しますか?
問3:
A 100%確実に80万円損する
B 85%は100万円を損する。しかし15%の確率で損失はゼロになる
質問は以上。
これはプロスペクト理論でもよく目にする設問ではあるが、これである程度「自分の傾向」が見えてくる。
自分の傾向を知る。
つまり己を知ることがトレードにおいては重要な要素となるわけだ。
回答を見て見よう
まずAとBで言うと大多数(つまりお金持ちになるのに苦戦する)は「A」を選択すると言われている。
そして問3では大多数(お金持ちにならない)はBを選択すると言われいる。
つまり、大多数は、問1、問2はA、問3はBを選択するのだ。
これが思考としては大多数派だ。もしあなたがそうであった場合は悲観する必要はないが、この心理状態は鍛えないといけない。そう訓練が必要なのだ。
「期待できる利益」で考えてみれば問1、2はAは80万円だ。Bの場合は85万円(100万円×85%)。
だから「経済的合理性を持ってベットするならば」やはりBのほうを選択することになる。けど人間は合理的に動けないため、Aを選択してしまう。
これがプロスペクト理論というやつで人は痛みを避けようとする。
問3では、期待価値で考えると
Aは80万円の損失で
Bは85万円の損失だ。
ここではより損失額が低いAを選択したほうが良いとなる。
問1・2をA、問3をBを選んだ人に関して言えば危険信号。
人間は
「利益を目の前にしてしまうと、利益が手に入らないリスク回避を優先してしまう」
という性質を理解しなければならない。
損失に関しては
「損失を目の前にすると今ある損失をなくすことを重視するあまり損失拡大するリスクに配慮できなくなる」
ということだ。
魔術師たちの心理学
この質問の出どころは、「魔術師たちの心理学」という書籍でタープ博士が行っている心理テストだ。
博士がズバリ言っているが、
「問1・2でA、問3でBを選択している人は相場では勝てないタイプだ」
ということで、相場に勝つタイプの人は問1・2・はB、問3はAを選ぶ」
回答別それぞれのタイプ
ちなみに問1・2をB、問3をAと選択した人は「ギャンブラータイプ」で問1・2・3をAと選択した人は「銀行員タイプ」なのだそうだ。
結局、どんなロジック持っていてもルールとおりに損切りできないなら、当然、ルールとおりに利確もできないので、最終的には、1つのことに固執してしまう傾向となる。
プロスペクト理論では損失が拡大するリスクよりも、トントンまで損失プラスマイナスゼロまで相場が戻る期待のほうが大きくなる人間の脳みそ現象なのだが、これが「損切りできない」という状態になるわけで、結果として塩漬け状態になる。
相対価値商品でそこにレバレッジがかかってるFXの場合、損きりは必須だから、本来人間が持ってる脳みそと反対のことをし続けないといけないのだ。
質問を何度も見て、考えて利益が出る思考側にスッと自然に入れるように、毎日この設問を覚えて考えるだけでも実は結構なトレーニングになる。
俯瞰して見れば、真に勉強するべきは、ロジックではなく、心理だとわかる。
余談
ちなみに日本で一番、大衆に「合理的な選択」をされると困る人たちがいる。
それが役人だ。
日本は世界一サラリーマン比率が高い国だけれども、合理的に考えたら金持ちの大多数は経営者や投資家だ。
だからオレ的には、労働者ってのは非合理的な選択である。
20代はあえて非合理的な選択をした上で、ビジネスと投資を勉強して、ある程度稼げるようになって本来の非合理的な選択をした、というワケ。
けどそんな人間が大多数になるとサラリーマン体制が危うくなる。
この体制は官僚たちが作った経済構造の最たるものだから、自営業ばかりになってしまうと既存の国家体制は崩壊の危機に陥るからある程度、適度に自立の芽はつぶされるの国が日本なのだと思っている。