年金は結論から言えば、早くもらえばもらう程、得をすると思っている。
人生逆張りが鉄則なのだ。
- 2019年6月=年金財政検証年
- 日本の未来
- 75歳選択受給はフェイク
- 逆張りで行くのが王道
- 政府の視点から考えてみる
- 死亡リスクを考える
- 年金の賢いもらい方
- 年金受給のタイミングはいつか?
- 年金を早くにもらう欠点
- 損益分岐点思考は無意味
2019年6月=年金財政検証年
今年は5年に一度の年金財政検証がされる年だ。
6月頃にそれが発表されるわけだが、おそらくは
「将来はこんなにヤバいぜ!」
と発表して、年金カットで平等に痛み分け。
再び保険料の増額と支給開始年齢の引き上げなどを出してくるのだろう。以前は60歳からだったものが現在は65歳から。このタイミングでもらう予定だった人は、5年分の基礎年金を失ったことになる。
おそらく今後は今もらっている人たちでさえ、年金額は徐々に減っていき、「75歳選択受給」にしても得することはないだろう。
日本の未来
現状、サラリーマンは税によってジワジワと首を絞められている。
実際、社会保険料は毎年上がっている。健康保険「税」や介護保険「税」も増加傾向にある。ここに増税が加わるとサラリーマンの手取り収入は、ほとんど増えなくなる。
恩恵を受けるのは、公務員だけだろう。
増税に関して言えば、社会保障の負担が重いから税収を増やさないといけない、という言い方をするが、そもそも税収が少ないのは、税で食っている数が多すぎることと、大衆の所得が低すぎるから消費が少なくなる。
消費が少なければ、消費税は少ないに決まっている。賃金を押し上げて、それで増税をするならするでその前に議員と官僚を減らす。
人口減少に反比例している公務員を削っていけばいい。さすがに、現役世代に負担をかけ過ぎだから、行き着くところは令和時代の若者によるクーデターだろう。
75歳選択受給はフェイク
75歳選択受給をすると得をする「らしい」
今が60歳~70歳でもらうタイミングを選択できるのだが、60歳からもらう(繰り上げ受給する)と、30%減額となる。
だからパッとみると早くにもらうと損をした気になる。逆に70歳まで繰り下げると、42%割増しでもらえる。こっちは得した気になる。
それで、この繰り下げ年齢を今後は、70歳ではなくて、75歳まで遅らせることができるようになって60歳の受給資格年齢を65歳にスライドさせていくのだろう。
そんでもって、65歳からもらう人は、いつの間にやら「繰り上げ」扱いになって、勝手に30%カットされる。
それが嫌で10年間我慢して、75歳まで耐えても、せいぜいMAX42%増までだ。
逆張りで行くのが王道
政府が繰り下げキャンペーンをするなら、オレなら逆を突く。
もらえるタイミングで即もらい、逆算して所得をコントロールするだろう。カネは健康なうちに受け取ることに意味があるから、繰り上げのメリットの方がはるかにデカいと思う。
日本人男性の健康寿命は72歳だ。
トータルで考えれば、元気なうちにもらうための繰り上げは、賢い選択だと思う。繰り下げて繰り下げて、結局その頃には各種税率も上がっているから、税金で没収されるのがオチだろう。
年金は増える。でも住民税も増える(住民税の非課税は現在は211万円)。だから結局、自分から動いてアクション(申請)しないと、ケツの毛までむしり取られるだけだ。
政府の視点から考えてみる
現在、60歳からの繰り上げ受給を選択している人は全体の4%程度。
この場合、65歳からの受給と比べると30%減って、70%の額が生涯固定となる。損益分岐点として、76歳7ヵ月を超えたところで、65歳受給に比べて少なくなる。
ただ、カネというのは、自分自身が使える状態になければ意味はない。受給開始を待って寝たきり状態だったらカネの価値などゼロに近いだろう。
だったら多少、損をしても早めにもらい、年金を賢く活用して、旅行でもしたらいい。
死亡リスクを考える
年金というのは万が一、受け取り開始前に死亡したら入るのは、「死亡一時金」のみだ。
保険料を420ヵ月(35年)以上支払った人でも上限32万円。
だから長生きして、死亡リスクが高くなり、受給年齢ギリギリで死んでしまえば、32万円だけ受け取っておしまい、となる。
70歳をさらに75歳まで遅らせると、死亡リスクは当然高くなるから、死んでもらえない、ということは大いにあり得る。
だからもらえるカネが75歳なら42%増になるからといって、10年遅らせるのはアホな戦略だろう。そうではなくて、手堅く、確実に一刻も早く受け取るのが正解だと思っている。
年金の賢いもらい方
会社に勤めながら、繰り上げ受給を選択すると「在職老齢年金」が適用されて、年金額は一部、または全部削られてしまうケースもあるだろう。
であれば、財布を分ければいいだけの話で、個人事業主になればいい。60歳~65歳で年金をもらい、それでもまだ働きたいのなら、個人事業主となって契約をすればいい。
個人事業主なら厚生年金からも外れるから、在職老齢年金に引っかかることはないし、本来の金額を受け取りながら、自営業者の武器である様々な節税法を使えばいい。
年金受給のタイミングはいつか?
6月に年金法改正がされても、決定から実行まで早くても5年前後はかかるだろう。
だから施行年を考えて、逆算すればいいだろう。10年後に施行開始なら、現時点で55歳なら、65歳まで待ってもいいと判断できる。
オレの世代だと、75歳~80歳で年金の支給額が減ることはあっても、増えることはないだろうから、繰り上げをして年金は一刻も早くもらっておくだろう。
年金を早くにもらう欠点
60歳受給は65歳受給に比べて7割(30%減)に下がる。一度繰り上げ受給を選ぶと、その変更や取り消しはもうできない。
さらに繰り上げ受給を選んだ後、65歳になるまでに障害を負った場合は「障害年金」がもらえなくなる。
さらに、65歳になるまでに配偶者が亡くなった場合で、まだ18歳未満の子供がいる場合、遺族年金か、繰り上げた年金かのどちらか一つの年金しか支給されない。
ざっくりこうした欠点があるが、75歳まで公的年金の受け取りを遅らせて、受給前に死んでしまうリスクの方が高いだろうから、繰り上げ受給が確実ではないかと思う。
繰り上げ受給をしても重病になれば、高額療養費制度で治療費を軽減できるし、そもそも年金を受給する年になって、18歳未満の子供がいるのは世帯はレアケースだろう。
損益分岐点思考は無意味
いつからもらえば得で、損といった損益分岐点思考は無意味だろう。
自分がどんな老後を過ごしたいのかで、考えた方がいい。
オレなら5年も10年も我慢するなら、すぐにでも確実に年金を受け取って、長生きすることによって、総受給額を増やしまって、個人事業主として所得をコントロールしながら、余暇を楽しむだろうな。