常識とはそこにある知識を個人がどう捉えるかだと思うのだが、総じて、日本の常識は世界の非常識である場合が多い(もちろん良くも悪くも)。
例えば、金融面で見ると住宅ローンだ。
今回は、これを理解しておくといいだろう。
日本の常識は世界の非常識(住宅ローン)
日本で住宅ローンを借りた場合どうなるか?
まずは借入金は右から左へ流れる形で業者へ移動する。
そして、土地、建物が担保に取られる。
さらに銀行に保証料を払って、火災保険に質権(しちけん)を取られ(払えない場合の人質みたいなものだ)、
場合によっては連宅保証人を要求される。
ウィズ・リコースローン
これがウィズ・リコースローンという形態で、お金を貸す側には圧倒的に有利な制度だ。
リコースとは「遡及(そきゅう)」という意味いで、馴染みのない言葉かもしれないが、過去にさかのぼる効力があるってことだ。
ウィズ・リコースというのは、簡単に言えばその物件を手放しても、借金が残っていれば、過去にさかのぼって
「法的な責任が伴うよ」
ってことだ。
仮に物件が売却できない場合(日本ではよくある話)や、債権者が債務不履行(簡単に言えば、約束を破るっこと)に陥った場合などは、
多額の債務(借金)を抱えたままになる、というのが最悪シナリオ。
ノンリコースローン
一方、アメリカだとか、イギリス、香港、オーストラリアなどの英語圏では「ノンリコースローン」が一般的(日本では非常識なのだが、欧米では常識)。
簡単に言えば、ローンを組んで、最悪物件を手放すことになっても、
手放した時点で責任(借金)は個人ではなく、物件に付帯する。
つまり、物件を手放したら債務は消滅する、ということだ。
その代わりにノンリコースローンの場合の借入は金利が高いのがデメリットなのだが、銀行がきちんと査定してOKを出したわけだから、責任は銀行にもあるわけで、「本当の万が一」のとき、物件を手放すことで生活を再建することができる。
個人的には、ノンリコースがいいと思っているが、そもそも不動産というのは、平時に買うものではなく、有事のみ検討するものだと思っている。
さらに言えば、有事での現金一括払いが基本だから、その意味においては、ウィズ・リコースローンもノンリコースローンも関係ないのかもしれないが、
日本というのは、銀行が債務者に求める保証の内容がどうしても行き過ぎているような気がする。
銀行は一切の責任を取らず、そのくせ「ウチでどうか」と自分たちの成績のために営業をする。
退職金はわが社の投資信託で是非!というノリで、これが金融界に住む銀行マンたちの日常であり、日本の常識だ。
「投資信託を買って、手数料を落としてください。結果はどうなるか私はわかりません。来月には、移動になりますが、よろしくお願いします!」
このタイプの銀行からの「お願い」は問答無用で断り、お金を借りてください、となった時だけ渋々借りてあげる。
使う理由は特にないから、普段は運転資金として持っているだけで、Xデー到来となった時だけ「運用」する。
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