金融市場においての美学は資金管理にある。
今回はほとんどの人には興味なしの内容だと思うが、FXのようなエッジ(レバレッジ)の効いた相場においては、資金管理の徹底が重要となってくる。
逆に言えば、これさえ出来ていれば、資金は殖えていくのだ。
まずは長距離走が可能となるエンジン(性能)をとことん向上させて、ごくまれに発生するボーナスタイミングをモノにするのだ。
これは本当の話。
資金管理の美学
世の中にはごまんと勝つための手法や相場観というものが存在するのだが、個人的には、ここはスルーしてもいいと思っている。
それ以上に、証拠金に対して、どれくらいの量でエントリーできるのか?するのか?
これを明確にしておくことが重要だ。
デポジットとしてまず入れるお金(証拠金)は当然だが人によって違う。ゆえにロット(通貨量)のはり方も違う。
例えば、証拠金が10万円であれば、10万円の範囲で損切をする場合、
「何パーセント」まで許容するのか、これを最初に決めておかないといけない。
国内であれば、レバレッジは25倍がほとんどだから、10万円の証拠金はレバレッジをかけた場合、250万円分の取引ができる。
「1ロット=1万通貨分」
と定義されるので、例えばドル円でエントリーする場合、10万円の証拠金で積める最大量は2.5ロットとなる。
1円動くと、25,000円のプラス、もしくはマイナスとなる。
XMのような海外口座である場合、88倍~880倍(MAX)まであるが、88倍で8.8ロットとなる。
国内証券であれば、2.5ロット、海外なら8.8ロット入ればフルレバ一玉でそこでお終い。あとは見守るだけとなる。
さらに言うと、国内証券の場合、20%を割り込むと追加保証金(追証)が必要となる。
10万円で8万円以上の損失額が数字上、発生している場合は、強制ロスカットか、追加保証金額以上の入金をする必要性が出てくる。
よって、レバレッジが掛かる相場である以上、損失は必須でいかに損失を最小限に留めて、利益の最大化を狙うのか、が重要となってくる。
大事なことは、25倍レバレッジなら自分は最大何ロットまで入れるのか、を把握して、損切はどこでするのか。
これをデモでもいいから試しておくことだ。
デモの優れている点は、資金管理に対して、何ロットまで許容できているのかを把握できる点にある。
100万円なら最大25ロット入ることができるが、あえて1ロットしか入らない人がいる一方で10ロットで入る人がいる。
要するに、自分が最大損失をどこまで許容しているか、だ。
利殖者=ロットが小さい?
FXでも株でも、うまくいっている人は「証拠金」に対して、大きく張ることはしない(負けた経験から必然的にほとんどの場合は、小ロット打法となる)。
必ず余力を残した状態で、ギャンブルトレードとなることを極力、排除する。
この場合、証拠金維持率が常に一定(何千パーセント)なので、焦ることはない。
例えば、1億円の証拠金なら、10ロット入ったとしても、証拠金維持率は7000パーセント前後となる。
仮に50ロット(50万通貨。1円動くと50万円の利益、または損失)で入っても、1億円に対しての証拠金維持率は1000パーセントは残る。
損切幅の決定
大事なのは、エントリーと撤退ラインはふたつでひとつ。必ずセットである、ということだ。
把握している人と取りあえず入っている人では、景色が違う。
本質が大事だと言われるが、いくらの証拠金に対して、あと何玉入ることができるのかを把握しないといけない。
こういうことが理解できていると、
「上手い負け方」
ができるようになる。これを損切の美学と呼ぶ。
本質云々以前に「資金管理を徹底する」ことから始めるべきだと思う。本質の理解などその後でいい。
むしろFXにおける本質とは経験から得ることでしか学べない。だからまずは不確実性な相場に対して、コントロールできる部分を把握することだ。
把握していないから、怖い。迷う。
FXで大事なこと(鉄の掟)
- 資金管理の徹底(レバがある世界だからこそ、必要なのだ)。
- 損失を最小限に抑えること(常に損失幅は固定)。
- 利確しても、必ずあとから振り返る。
これがマスト。
損小利大とは文字通り、「損」が先に来る。
リスクリワードも、先に「リスク」が来る。
よって、完全なる損切をマスターするべし。
これは自分で感じ取ることしか、学べない世界だから、実践するあるのみだ。
3年で9割近くの参加者が退場する世界なら、退場しない方法をまずはマスターするべきだろう。
損切を誇り、利益が出た時は調子に乗らず、本当にそれがベストプランだったのかを探求する。
やがてチャートが存在すれば、どこでも生きていける人間となる。