トレーニング時に体が重い、キレがない、こんな場合、エナジードリンクを使ったらどうなのか?
ということで、気になってエナジードリンクの効果(または体への悪影響)について調べてみたよ、という話。
エナジードリンクと栄養ドリンクは同じ?違う?
まず、エナジードリンクというのは、
- レッドブル
- モンスター エナジー
- リアルゴールド
- オロナミンC
こういったものだ。
一方で、栄養ドリンクとは、
- ユンケル
- チオビタ
- リポビタンD
- ビタカイザー
あとは、マムシエキスなんちゃら、という具合だ。
違いは、エナジードリンクはカテゴリーとしては、あくまで清涼飲料水。
つまり、炭酸飲料と同じだよ、ということです。
一方、栄養ドリンクは、医薬部外品という規定のもと販売されている。
簡単に言えば、人体への影響は医薬品よりはゆるいけれど、その効果はある程度認められているよー、というものだ(よってそこそこの値段)。
まあ、ぶっちゃけ栄養成分を見ると飲めないけれども…
では、エナジードリンクは名ばかりなのか(効果はなしか)?ということでレポートが出ていたので、紹介。
エナジードリンクの検証結果
今回、参考にした記事は以下。
エナジードリンク実験のタイトルは、
Energy Drinks Induce Acute Cardiovascular and Metabolic Changes Pointing to Potential Risks for Young Adults: A Randomized Controlled Trial.
「エナジードリンクは、若年、成人の潜在的なリスクを示す急性心血管および代謝変化を誘発します」
意味はざっとこんな感じ。
これを読む限り、まず体にいいことはあまりなさそうだな、というのが印象。
次に、
「では、エナジードリンクどこまで悪いのか?」
の実験が以下。
エナジードリンクの実験内容
- 38人の若者(18歳~25歳)を対象(ランダムに選ぶ)
- 数日間、朝の空腹時に服用
- 飲む量は一定ではなく、アレンジ(1,000ml or 750ml)
6パターン(以下)のドリンクを飲んでもらう
パターン1: 普通の経口補水液
パターン2: 経口補水液+タウリン400mg(100mlごと)
パターン3: 経口補水液+カフェイン32mg(100mlごと)
パターン4: エナジードリンクオンリー
パターン5: 経口補水液+カフェイン+タウリン
パターン6: 経口補水液+グルクロノラクトン31mg(100mlごと)
この実験の面白いところは、エナジードリンクに主に含まれる成分を抽出して、経口水と混ぜて飲んでもらい、その結果を検証する、というもの。
これならどの成分が悪いのか?(または良いのか?)がわかる。
検査内容は
- 血圧チェック
- 心電図チェック
- 心拍変動
- 血液検査
と本格的。
これなら心疾患だとか、糖尿病のリスクもわかりそう。
エナジードリンクの実験結果はコレ
- 1,000mlと750mlではどちらも大した差が出ない
- 飲んでから1時間後は、すべてのカフェイン入りドリンクで最高血圧が上昇(当たり前か)
- エナジードリンクと経口補水液+カフェインの2つは最低血圧も上げた(カフェイン効果でこれも当然か)
- ただし、血圧の上昇は3時間後にゼロラインに戻った
- 飲んでから1時間後は、エナジードリンクだけ心拍数が上がった
- すべてのドリンクはインスリンレベルを上げた
- エナジードリンクの上がり幅が大きかった
- エナジードリンクのみ、吐き気や焦燥感の副作用が確認された(今回の実験では、という意味で必ずしもそうなるわけではない)
書いてあるのは、ざっくりこんな感じです。
エナジードリンクの検証結果
炭酸飲料水だから、当然と言えば当然かもしれないですが、そこまでの悪影響はないようだ。
この実験は、1時間に750ml~1リットルを飲んでいるが、普通に生活していて、ここまでのエナジーラバーはいないだろうし、トレーニングで使用するにもせいぜい350ml~500mlだろう。
成分を見れば、大抵のエナジードリンクは糖質とカフェインがミックスされているだけなので、長期間に渡って、大量に飲まない限りは、逆に悪影響は難しそうだ。
ただ、日ごろから習慣的に飲んでいる場合は、カフェイン効果で覚醒する感じは得られるかもしれないが、コーヒーに砂糖を入れているようなものなので、注意は必要。
であれば、カフェイン効果で覚醒して、糖質で血糖値を上げるので、そのあとは、反動で落ちる。
トレーニング前にはプレワークアウトとして使える組み合わせですが、別の見方をすると、元気を(無理やり)前借りするような行為だとも言える。
前にコーヒーの飲み方について書いたが、カフェイン効果によって、
- 血液循環の向上
- 集中力アップ
- 体内のいろいろな機能が一時的に向上
よって、元気になったような感覚になる。
コーヒーに多く含まれるカフェインはもろ刃の剣の側面もあるのだ。
エナジードリンクも疲労によって低下している機能を外的要因(カフェイン+糖分)で高めているだけなので、疲れそのものが取れることはなく、元気を前借りすれば、返済は必須で、前借りが多くなれば、中毒になる可能性も出てくるのだ。
よって、コーヒー以上に、糖分が加わっている以上、使い方には、注意が必要。
疲れたら、というよりも、疲れる前に疲労は撃退するのがベストなのだ。