「勝ち」から離れると、勝率が上がる法則があるのだが、今回は完結編として、最後にこれを書いておく。
過去の記事と合わせて読んでおくことを強くおススメする。
「勝ち」から離れると、勝率が上がる法則
心理学的に言うと「勝ちたい」という気持ちが強くなっている場合、
潜在意識下では、
「自分が負けと認識したら、自分が傷ついてしまう(だから避けたい)」
言語化すると大体これに近い状態となる。
プライドが高い人たちの特徴でもあるが、勝ちたいは裏返せば、プライドが傷つくからだ。
一方「負けないこと」を意識している人たちは、傾向として、人生の中で、苦しい思いしてきた経験がある人が多く、プライドや自尊心が傷ついた過去を持っているため、負けは比較的認められやすいのだ。
表現の特徴としては、
「自分はそんな大したことのない人間だよ」
これに近い言葉を使う。
達観している、と言えばいいだろうか。
確率の世界
人間の世界も投資の世界も確率(数字)に支配されている世界だと言える。
例えば、FXで10回トレードする。
損益比率リスク・リワードは1:2。
それで10連勝する、なんてことは滅多にない。
必ず損失が出るシーンがある。つまり、確率の世界では、スポットで勝ち続けること事態が確率的に無理なのだ(しかし、人は10連勝を求める)。
それよりは負けたときにすぐに対処できるように事前に準備しておいた方がはるかに現実的だ。
負けない戦略とポジポジ病の解決策(FX編)
例えば、FXや株で「負けないこと」を意識するのであれば日足、週足で見た時に「負けづらいところにストップ入れる」だけエントリーすればいいという話になる。
これをやると結果的に、ポジションを取りたい衝動から抜け出すことができる。
なぜなら、「負けないこと」を意識することで、「負けないように」入ることができる場所を厳選するので、「なんとなく」ではエントリーできなくなるからだ。
桜井章一曰く、
「勝ちにいく勝負が欲の支配する戦いだとすると、負けないというのは人が持つ本能からくる戦い方だ」
ということになる。
動物は相手に食い殺されないように、負けないように行動をして過度に欲を出さない、ということだ。
そもそも自然界において動物が「勝つ」という感覚はないだろう。
本能に従って、いかに生き残るかを考えているはずだ。
人間だけが「勝とう勝とう」と思って欲望に忠実に行動しているのだ。
そして大多数は欲望に従った結果、最終的には負ける。
その一方で動物的に「負けないように、生き残れるように」と考えてる人たちは最終的には「勝ち」といわれる状態になっている。
こういった人たちは、過度な欲にも支配されず、どちらかと言えば、笑って生きているのだ。
原理原則
「大きく稼ぐ」ではなく、大きく負けないことだ。
よって考えるべきは、
「負けないためにはどうすればいいか?」
というところからスタートし、経済行動や人生行動を考えていくのが動物的(正常)な経済思考だろう。
そう考えたほうが人生はなんだかんだで納得できるものになる、後悔の少ないものになるのではないだろうか。
一世を風靡(ふうび)した社長たちの今
恐ろしいことに全員、今どこかにいってしまった(まはた破産)。
残るものは、地道にコツコツ、負けないように行動していた人たちだけだ(こういう人たちが資産家となっていく)。
重要なのは、習慣として
「この場面で負けないためにどうすればいいのか?」
と考えることだ。
例えば株なら、
- 時価総額は100~150億円を狙う
- PERは20倍以下で将来の純利で5倍になるもの
- PBRは5倍前後
- ROIは10倍前後
- 買うのは、暴落
- 売るのは、強気相場
FXなら、
- 週足、日足のみで、損失確定は2%に設定できる場面のみで入る
ルールを明確にすることで、負ける確率は減るのだ。
なんでもかんでもエントリーしてしまう場合は欲望に負けている、ということだから、そこでは置いたストップは大きな時間足ではまったく重要な節目(レジスタンスだとか、サポート)ではないので、当然、お金は減っていく。
まとめ
いろいろ書いたが、勝つために色々考えるよりも負けないために色々考える時間を増やしたほうが最終的に資産は増えるということだ。
- 負けないこと
- 負けないこと
- 1と2を遵守せよ
負けないことを徹底する男、ウォーレン・バフェットおじさんに習え、なのだ。
あらゆる分野で「負けない技術」がある。
ビジネスならばいきなり大金を広告に投下はせず、テストを最初に入れておけば大きく負けづらくなる。
大事なのは、 攻撃力よりも防御力を重視することなのだ。
例えば、オレは青春時代は文字通りサッカー漬けだった。職業にできるくらいサッカーをしていたのだが、ポジションは、ディフェンダー(ストッパー、リベロといってゴールキーパーに一番近いところにいる人)だった。
そして、サッカーでも例外なく、ディフェンダーやゴールキーパーが強ければ、負けないのだ。
ボクシングならメイウェザーだろう。
避けて避けて、逃げて逃げて、無敵のディフェンス力で相手を疲れさせて、最後にズドン。
メイウェザーの防御力動画:
全ての勝負事は「負けないこと」を重視した人が結果としては勝っているのだ。
そして、これが世の中の本質だ。