前回の続き。教育費について考えてみる、というテーマだ。
今回は教育費のシュミレーション結果とワイ的、教育費問題を解決する方法。
- 教育費破たん診断
- 教育費の結論
- 年収1000万円のシュミレーション例
- 嘘のような本当の話
- 自覚なき支出族
- 文部科学省のデータから見る教育費
- 解決策はあるか?
- ワイの場合は、教育費はどうしたか?
- 教育費のまとめ
教育費破たん診断
子どもがいる場合、子どもの将来のために、塾や習い事に通わせたいと思うのは、親としては当たり前のことだろう。
しかし、ワイからすれば、こういった最近のファッション的でもある複数の掛け持ち習い事はどうもエスカレートし過ぎているようにしか思えないのだ。
真のエリート教育とは、12歳前後まではただただ好きなことに没頭させることではないかと思っているのだが、
経済面(家計)から中長期的に見た場合、現在の延長線上にあって、一番怖いのは、破たんの可能性が極めて高いからだ。
例えば、その可能性が極めて高いのは、年収は800万円~1000万円クラスだ。
このカラクリを話そう。
教育費の結論
幼少期から過度なエリート教育を施した場合、20年後の子供のよるリターンよりも先に、自らの身を滅ぼしかねない(これを言うと、大抵、反論されるが本当だ)。
まずは机上のシュミレーションだけでもこのことがわかるはずだ。
つまり、教育費によって自滅するパターンだ。
しかし、これはほとんどの人が自分事として考えない。なぜなら、教育費が持つ恐ろさは、子どもがまだ小さい間は、その予兆がほとんどない(わからない)からだ。
「あれ、子どもにはカネがかかるって言われているけれど、そんなこともないな。何とかなるね」
という錯覚に陥ってしまうのだ。
しかし、私立の中学進学や大学受験を迎える時期になると教育費が徐々に余震のように動き出す。
そして、このタイミングで家計は本格的に圧迫されるのだ。
もともとお金にあまり余裕がない家庭よりも、年収800万円超の家庭の場合は幼少期から子どもにお金をかけることが当たり前のように身についてしまっているため、将来の危険度は高くなる傾向にあるのだ。
タチが悪いのは、「元小金持ち」の場合で、一旦上げた生活コストは切り下げることができないから、教育費とコラボして窮地に追い込まれやすくなる。
年収1000万円のシュミレーション例
簡単なシュミレーションをしてみる。
都内のタワマンに住み、年収1000万円で子どもがひとり。
年収1000万円である場合、年齢は大体30代後半から、40歳前後だろうか。子どもは、7歳とする。
奥様は教育熱心。お父さんも教育レベルが高いため、グローバル思考。
その結果、子どもにも将来を見据えて幼少期からバイリンガルの幼稚園に通わせ(月額10万円~15万円で年間120万円~180万円)、小中高は私立を選択する。
大学に入ったら次は将来のために留学経験させてやりたい。
これがよくあるパターン。
一般的には、預金が急激に減り始めるのは、子どもが大学受験の準備をスタートする時期あたりからで、ここで「生活コスト」が落とせない状態で突っ走ると、子どもの年齢が17歳(10年後)前後となってからは大変なことになる。
あくまでシュミレーション上での話だが、子どもが17歳前後まで成長した段階で、お父さんは50歳を迎える。
この段階で「世帯収入ベース」で見ると、お父さんの収入はピークアウトして、50代~50代後半からは徐々に下がっていくだろう。
※そこまで勤められる人は年々減少中だ。
そんな中、教育費などの諸費用は一気に上昇するから、結果として、お父さんの下落する年収+年金を合わせても「教育費」の穴埋めが難しくなるのだ。
ちなみにざっくり計算すると教育費は、固く見積もって3000万円前後となる。
よって、年収1000万円プレイヤーたちの20年後のミライは非常に厳しい、というのが現実的な話なのだ。
嘘のような本当の話
小さいころからエリート教育思考が強いと、そのまま教育コストを抑えることができず、教育費以外のコストも増える傾向にあるため、年収はそこそこあっても、貯蓄が増えない構造のまま進む。
人間は見栄の動物でもあるから、見えないコストはトータルで考えると結構な額となるのだ。
貯蓄ベースで考えても、例えば、子どもが16歳~17歳の大学受験を向かる前に、2000万円前後の預金があったとしても、夫婦の年齢は50代前半で、ここがピークとなる。
ここから年収がさらに増える人は「人的資本」以外の仕組みを持っていなければらならないのだが、そうでない場合、教育費の支出が爆発するから、すっからかんとなる。
将来、子どもが成功して、親の家賃からお小遣いまで面倒を見てもらう・・・のはあまりにも非現実的だろう。
自覚なき支出族
教育費というのは、怖いもので、小さい頃からの積み重ねだから、危機感は薄い。
よって、分不相応な教育費を支出していることに気が気付きにくいのだ。
気付きにくいから、中長期的なライフプランがあっても浅く、シュミレーションもアップデートされないままだ。
さらに言えば、子どもが16歳前後になるまでは、一般的には預貯金は増えていくのだ。
まだ教育費がかからない小さい間は、これがどうしてもわからない。
そして、いつしか「あれ、思った以上に子どもにお金はかからないな」が常識となるから、「いつ、いくらかかるのか」を考えなくなる。
文部科学省のデータから見る教育費
幼稚園から高校まですべて「公立」に通わせた場合は、5,505,172円(約550万円)。
幼稚園から高校まですべて「私立」に通わせた場合は、16,626,432円(約1600万円)
これが「子ども一人」にかかるざっくりとした両極端(オール公立とオール私立)の教育費となる。
ここに大学が加わる場合、国立なら年間130万円~150万円。私立なら年間200万円前後かかる(自宅以外から通った場合のおおよその額)。
よって、幼稚園から大学まですべて私立のフルコースの場合は、2400万円前後が「学費だけ」で必要となる。
もちろん中学まで公立で高校は私立、高校まで公立で大学は私立など、ケースバイケースだから、文部科学省のデータを元に、それぞれに合わせて計算してみるといいだろう。
これを客観的に見える化するとわかるのだが、エリート教育などしていなくても、実は「子どもの数」によっては、いとも簡単に家計は「教育費だけ」で崩壊させることができるのだ。
解決策はあるか?
ワイ的には、3つしかなく、この3つの要素を労働から得られる収入がピークアウトするまでにどれだけ獲得できているのか、が肝となる。
1つは、親が「生涯現役」であることだ。
収入が入る仕組みを複数持っている状態が理想で、文字通りの「自立」型。
2つ目は、投資によって、自分が50代、60代となった段階でバトンタッチできるように、コツコツ世界経済を主軸とした運用を継続することだ。
この方法は、過去記事(鬼の長期積立)で何度か書いているので、参考にするといいだろう。
3つ目は、早い段階から教育のベストプランを模索し続けることだ。
時代は変わるから、常に情報収集し、子どもが目指したいポイントに合致する道を模索し、早い段階から常に選択肢を提供し続けることだろう。
ワイの場合は、教育費はどうしたか?
子どもが生まれる前に大学までにかかるであろう総額の4割~5割を貯蓄。
産まれた段階で海外の学資保険に加入(5割分はここに一括投下&年一回の分割払い)。
学資については、過去記事参照
これによって二人分くらいの金額は、クリア。
次に子どもが小学校時代の間は、「高校」から学びの場を海外に移すため、旅行という名の視察を繰り返す。
高校卒業後、帰国子女として国内の大学に進学するか、欧州の大学へと進む(学費は基本無料だ)。
つまり大学にかかるであろう総額分は、厳密には、学費のため、というよりは、現地での滞在費のため、だ(欧州の場合)。
さらに、持ち家ではないから、家族での移動が可能である可能性は極めて高い。
可能性と書いたのは、投資パフォーマンスにある程度、影響されるからだ。
教育費のまとめ
子どもの成長に最もインパクトを与えるのは、学校や塾ではなく、いつの時代も親だろう。
学校で教わる教育の内容程度は、家でできるのだ。
だから勉強以外のことの方がはるかに重要で、大事な時期に子どもと向き合い、人生に大切なものを幼少期から見せていく。
これこそが大事だと思っている。
そもそも大学などは、完全に投資の世界であって、リターンを重視するワケだから、大学費などは子どもに負担させればいいのだ。
勉強は趣味だから、真剣に趣味に没頭したいなら、それなりの対価を払い覚悟を持って進めばいいと思う。
考え方は人それぞれ。
ただ、世界は広く、選択肢も膨大だ。毎年教育コストが上昇する国もあれば、下がり続ける国(欧州が多い)もある。
下げり続ける国を選ぶには、選ぶだけのスキルが必要となる。
どんな分野であれ、ベストチョイスするには、膨大な時間と準備(ゴールからの逆算)が重要だということ。
以上がワイのような凡人による教育戦略の概要だ。