前回の続き。
イギリスのPWCが発表した「2050年の世界経済」シナリオがやはり面白いのでせっかくなのでもう少し書いておく。
日本は30位?
日本は世界第三位の経済大国と言われるが、日本のひとり当たりのGDPは実はもう世界では「30位」くらいなのだ(購買力平価基準で見た場合の順位)。
購買力平価説とは、外国為替レートの決定要因を説明する概念の一つ。
wikiから引用
為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという説。
スウェーデンの経済学者 G.カッセルが唱えた為替相場は各国通貨の購買力に応じて決まるとする考え方。
総合的な物価水準の内外価格差を示す指標として使われる場合が多い。為替レートは1ドル何円という表示で,為替市場の円ドル需給で決まるが、購買力平価は1ドルが日本国内で何円の品物が買えるかで表示される。
このため,実際の為替相場と購買力平価でみた為替比較は一致しないのが通例である。
たとえば対米ドル購買力平価が200円ということは、アメリカで1ドルで買える同じ物が日本では200円かかるという意味になる。これに対して為替相場が1ドル=110円なら、アメリカで1ドル、つまり110円で買えるものが、日本では 200円もするということになる。それだけ日本の物価は高いということでもある。
これは台湾やオマーンよりも低いのだが、逆に言えば、それほど日本の「官僚機構」が強いということでもある。
ちなみにPWCのレポートは
- 世界のGDP総額の85%を占めている国
- 経済規模で見た世界上位32カ国
について、2050年までのGDPの潜在成長に関する長期予想を示しているのだが、ワイも大体はこのレポートにあるような推移だろうなと思っている。
先進国の引退時代でこうなる
2050年まで世界経済は年率2.5%のペースで成長すると書かれているが、この成長を牽引するのは、日本などの「先進国」ではなくあくまでも新興国だということだ。
特にBRICS(ブリックス)を含んだ
・ブラジル
・中国
・インド
・インドネシア
・メキシコ、
・ロシア
・トルコ
の新興7カ国は2050年頃まで年平均3.5%前後のペースで成長する、というのはこれまで居座っていたアメリカがどいてくれたら十分現実的な数値だと思う。
これが先進国の失速度合だ
現在の先進国(G7)であるアメリカや日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダなどの成長率は年平均1.6%前後となるそうだ。
確かに先進国族はどんどん貧しくなっているなというのは日々感じるところで、ホテルに泊まる際によく感じることでもある。
「中国」が世界一位だね!
購読力(PPP)ベースだと中国がアメリカを抜いて世界一位だ!
ということをPWCも書いている。
現在の「為替レート」ベースで割り出すGDPではアメリカが1位なのだが、これはGDPという指標を使っているからそうなってしまうのだ。
購買力平価(PPP)の方がタイムラグが短く、より実態に近い(GDPよりも現実的)のだ。
だからGDPは時間差で徐々にPPPの数値に収束していく。
そのためトランプオヤジが任務遂行してノーベル平和賞でも受賞して退場(引退)した後の世界、2020年後半~2030年前半あたりでは、市場為替レート(GDPベース)で見た場合でも中国が一位になるというのは、時間軸で見てもシナリオが合ってくるから、妙に納得なのだ。
「言ってはいけない」だったGDP
言ってはいけない的に言うと、アメリカはあの手、この手を使って2008年からずっと「ドル防衛(ドルの増殖活動)」をしてきたので、GDPで1位なのは、当たり前と言えば当たり前なのだ。
PWCが突っ込んで言いたいことがあるとしたら、PPPベースで見た場合、アメリカの化けの皮はすぐにはがれていく、ということになる。
そしてその時にアメリカは2位に転落…ではなく、3位に転落するのが面白いところで、2位はインドなのだ。
そして4位がインドネシアとなっているから、きれいにインド勢にサンドイッチされている。
アメリカはこの時には地域(ローカル)ポリスみたいな存在なのだろう。
だから時代はアメリカではなくなるから、「戦うための語学」も英語ではなくて、2050年の世界の中心はユーラシア大陸であり、
もっともビジネスで使われている言語は中国語だろうから、これから生まれてくるベイビーたちがちょうど成人となるタイミングはここだから、中国語に完全にシフトして準備していけばいいだろう。
2050年の世界で数々の柱が満期を迎えるワイは、この世界から逆算して、常に仕込むのである。