前回、老化と安楽死について少し書いたのだが、補足しておこう。
近い将来、100歳以上が当たり前の長生き社会となった場合、それは科学的に、医学的に実現可能となったということであって、初期段階では「尊厳のある生き方」や「死に方」をする為には相応のカネが必要となるだろう。
実際問題、ワイが見てきた中では、日本で提供されている
「健康保険(税)」
の対象となる治療は尊厳のある生き方や死に方とはほど遠いと感じる(そもそもあれは税金だ)。
ライフプランが座礁し、「貧困老人」や「下流老人」、「漂流老人」と呼ばれるカネがなくて長生きをしてしまった老人ほど惨めなものはない。
だからこそ、安楽死については日本は本気で議論するべきだと思う。
日本では2020年から女性の2人に1人が50歳以上だからいよいよ来たな、という感じがする。
安楽死マシーン、SARCO(サルコ)
出典元:SARCO HPより
安楽死はオーストラリアなど欧州や北欧系で議論されており、ウォッチしておくといいだろう。
例えば、オーストラリア(ビクトリア州)では、2017年に安楽死を合法化する法案が可決されている。
施行されるのは、2019年6月からでようやく実現された。
これによってビクトリア州では他人が幇助(ほうじょ)する形の積極的安楽死国となった。
そして、オーストラリアのフィリップ・ニッツチク医師が1分で苦痛のない死を迎えられる安楽死マシーンを開発。
見たところ、未来の冬眠カプセルのような形なのだが、名前を「サルコ(Sarco)」と呼ぶらしい。
苦痛ゼロ1分であの世に「合法的、合理的な自殺」ができるようになった、ということだ。
安楽死マシーンの使い方が面白い?
まず利用者は、Sarco(サルコ)に入ったらボタンを押す。
するとサルコ内部に液体窒素が充満して、酸素濃度が5%前後まで下がる。
結果、1分もすれば利用者はほとんど苦痛を感じることなく意識を失い、この世から旅立つことができるのだそうだ。
さらに、使用後は、サルコをそのまま「棺」として利用することも可能で、マシーンのベース部分はそのまま再利用可能。
通常、酸素濃度が5%前後まで低下すれば、頭痛がしたりして相当な苦しみがあるはずなのだが、そこは技術的に解決されているようだ。
さらに、安楽死マシーン・サルコは近い将来、作ろうと思えばどこに居ても、誰でも作ることができる可能性がある。
なぜなら、サルコは「3Dプリンター」による印刷が可能で、印刷後はどこでも組み立てが可能となっているからだ。
さらにさらに、設計図は無料だ。
安楽死する方法
サルコを利用する場合は条件があって、まず、オンラインで「メンタルチェック」に回答する。
問題がなければ4桁のコードが発行されて…という流れだ。
簡単に言うと、サルコを利用するには、現時点ではオンラインでのやり取りが必要で、
利用対象者は不治の病に苦しんでいる人や高齢者に限定されているのが現状。
日本は長寿大国ではない?
世界的に見ても日本は「長寿国」となっているが、これはあまり意味をなさない。
長生きしていても、病院のベッドの上で薬品付けで動けなかったら生きている意味などないだろう。
だから尊厳のある生き方を定義する上では「健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)」が大事であって、ここを見ると、現実が見えてくる。
現時点での最新版、厚生労働省が2019年7月30日に公表した簡易生命表によると、2018年の日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性は87.32歳で男女共に過去最高を更新した。
国際比較で見ると、日本女性の世界ランキングは香港(87.56歳)に続いて第2位、
男性は香港(82.17歳)、スイス(81.4歳)に続いて第3位となっている。
その一方で、健康寿命は、女性は74(74.79)歳、男性72(72.14)歳だ。
寿命が来る前に動けなくなる?
つまり、男女ともに70代前半ですでに何らかの健康障害を負って生活を送っていることになる。
健康寿命の規定は複数あって一概には言えないのだが、このあたりから多くの高齢者は介護を必要とし、自立して生活できない状況にある、というのが現状。
こうなった場合、
「もし、自分がそうなったとき、どう考えますか?」
ということだ。
医者は、死にそうなひとを早く死にたくても生かす手伝いはできるのかもしれないが、
患者の意に沿って死なす手伝いはできない。
であれば、 ワイは常に選択肢として、安楽死は真剣に考える。
安楽死前夜祭を開いて、人生で培ったすべてのスキルを駆使した神動画を作成し、
会場で流し、それを後日、Youtubeに公開して、幕とするだろうな。
ちなみに毎年一回、家族に向けたラストメッセージ動画は作っている。
海外資産を含めた全ポートフォリオの管理法などを含まれているから、準備にぬかりはないのだ。
そして、結果的にこういう死を直視するタイプはなぜか長生きするのだろう。