前回の続きでもう少し書いておく。
時間のない場合は、
「彼女は安楽死を選んだ」
という動画を紹介しておくので、それだけ見れる内に見ておくといいだろう。
衝撃映像だと思う。
人間の肉体の限界点はどこか?
人間の寿命というものは一部ロボット化されない限りは「生物」としての限界がある。
通常いくら長生きをしても、健康寿命ベースでは70歳~80歳だ。
長寿であっても、90歳~100歳くらいで、これは過去の蓄積(健康習慣)次第だが、最後は老衰で死んでしまう。
魂は永遠でも、魂の入れ物である「肉体」はどんなに鍛錬しようがそこにはリミットがあり、誰にとっても平等に有限だ。
確かにアンチエイジングに関する技術はすさまじく、DNA検査も個人が自宅からでも簡単に手の届くところまでは来た(唾液か血液を送るだけ)。
こういったことから個人が将来かかるであろう病気が把握できるから、予防医学の進歩と共に「先進国の平均寿命」は伸びる傾向にあるから、100歳くらいまで生きることも普通になってくる、というのはしっくりくる現実だ。
ただ、通常のテロメア劣化による肉体の衰退は科学的にちょっといじったくらいで劇的に改善されているとは思えない。
だから問題は、100歳を超えた場合、どんな状態の100歳なのか?ということだ。
「人間らしく」、「健康」で「能動的な生活」を営むことができるのだろうか?
現時点ではそれは難しいだろう。
必然的に、車の車検と同じで「臓器(義体)」の交換が必要になってくる。
入れ物(肉体)のカスタマイズ時代へ突入
人間はいつの日か魂を無期限に保管できる入れ物(肉体)を作り出すことができるようになるだろう。
今のところ「肉体」の各パーツは「脳みそ以外」は技術的に代替可能だ。
ただ、 クローン臓器を作って入れ替えるとしても、健康保険の対象になるとは思えないから、非常に高額なものになる。
例えば内臓系(心臓、肝臓、腎臓など)の移植をする場合の値段はひとつの臓器あたり2000万円だとして、脳以外のパーツを入れ替えると、5億~10億円くらいになるのだろうか。
どちらにしても、肉体のアップデート化はカネ次第ということになる。
十分なお金が無く、臓器が買えない場合は、問題のある肉体を抱えたまま、肉体が機能しなくなるまで生き続ける。
映画「アリータ」のような世界だが、安楽死が認められない限り、肉体のアップデートができない層は、不自由となった肉体と共に無駄に長く生きるから、自害する以外、生きる苦しみから解放される方法は無い。
映画アリータ(義体パーティーの世界)
安楽死について考える
2019年6月2日にNHKがドキュメンタリー番組「彼女は安楽死を選んだ」をやった。
これがあまりにも衝撃的なのだ。
※現在はYoutubeでは視聴不可。NHKのオンデマンドのみで視聴可能となっている(220円)。
多系統萎縮症(難病)を患う女性が、安楽死が認められるようになったスイスへ行き、安楽死を遂げるまでのドキュメンタリー番組だ。
通常タブーとされるテーマを公共の電波で取り上げたNHKの取材班の熱意はすごいなと感心した。
観ていない場合は、有料であっても是非ご覧頂きたい。
そして、新しい選択肢があるのだ、ということを一度真剣に考えて見て欲しい。