スタンディンデスクとは、立ったままで作業ができるよう設計された机のことである。
スタンディングデスクに注目が集まっている背景としては、要するに人間は体の構造上、ずっと座ったままの生活では不健康(不自然)であり、死亡リスクも高くなる、といったことが言われ始めたからだ。
それで、今回はワイの個人的な見解とそこそこ信憑性高いと思われる論文なども引用しながら、考えてみたい。
- スタンディングデスクのダイエット効果
- スタンディングデスクは健康に貢献するか?
- スタンディングデスクの検証結果
- スタンディングデスクの健康効果の難しさ
- スタンディングデスクに期待しすぎない方がいいねのレビュー
- スタンディングデスクのメリット
スタンディングデスクのダイエット効果
まず立つことで、座っている状態でいるよりもカロリーは多く消化する。
しかし、カロリー消化量で言えば、6時間立ちっぱなしでようやくパン一切れ分程度のカロリー消費となるから、立った状態でもエネルギー消費は実はほとんど変わらないのだ。
よって、スタンディングデスクによるダイエット効果は期待できない、というのが今のところ正しい見解である。
スタンディングデスクは健康に貢献するか?
一番しっくり来た論文は、ピッツバーグ大学のスタンディングデスク検証結果だ。
実験内容はまず
1.48人の参加者を「普通の机」と「高さを調整できる机」の2グループに分けた。
2.そのまま「1年間」作業を継続してもらい、結果を分析
ということで、参加者数はちょっと少ないかなと思ったのだが、それでも1年を費やして研究をした、ということで、これは参考になるかもしれない、という判断に至った。
スタンディングデスクの検証結果
結果をまとめてみると、スタンディングデスクを使ったグループは、
1.1日のうち、座っている時間が約17%減少
※この現象は3ヶ月目から確認され、1年後の時点でも継続
2.47%が「背中」や「腰」の不快感の改善を報告
3.65%が1年後の時点で「生産性」と「集中力」の増加を報告
4.さらに参加者の多く(65%)がより活動的になり、活力が増えた
5.65%が仕事のあとにも「健康的な活動」を行うようになった
ということで、この結果だけを見るとあれれ、スタンディングデスクってめちゃくちゃいいじゃん!
と思ってしまう。
スタンディングデスクの健康効果の難しさ
この検証結果の欠点は、この研究結果のほとんどが「参加者の証言」に依存している、という点だ。
※これは信ぴょう性があるように見えて、実はとても曖昧なのだ。
よってこれだけで判断はできない(少なくてもスタンディングデスクの健康効果がある、とは言い切れない。彼らはもともとアクティブな生活をしている人たちかもしれないしね)。
それで、さらに論文を掘り下げていくと、やはり「スタンディングデスク」そのものによる健康効果を計測するのは、非常に難しく、それ以前に個々の環境、健康状態などがどうしても違い過ぎるからだ。
ただ2019年にこれは精度が高いなと感じたScoping Review(スコーピングレビュー)が出ており、これはワイのスタンディングライフの見解(実体験)と非常に近かったので、紹介しておこうと思う。
ちなみに、スコーピングレビューというのは、研究のエビデンスをまとめる際に既存の文献をもう一回洗いざらい調べていき、参考にしながらグループ化して、再検証した結果、みたいなニュアンスです。
最新のスタンディングデスク参考論文:
この研究では、スタンディングデスクに関する先行研究から「全53件」を分析した内容となっている。
簡単に言うと、ワイがスタンディングデスクの効能(健康効果など)を調べたデータの中ではトップクラスだった(これ以上のデータがあれば是非教えてください)。
ということで、大量の文献の再検証、レビューからわかったことは以下の通り。
※これだけを読むだけでも論文検証の時間だとか、リサーチ時間などスタンディングデスクに費やしていたであろう相当な時間をショートカットできるはずです。
スタンディングデスクに期待しすぎない方がいいねのレビュー
1.スタンディングデスクを使ってもやっぱりダイエット効果は期待できない(立って作業をしたところで消費カロリーはたかが知れている)
2.スタンディングデスクを使っても「集中力」や「生産性」が上がるかどうかはわからない
(厳密には、「文献」によって差がありすぎるため、断定するのが難しい、ということです。つまり、「個人差」が大きいのではないか、というのがワイの見解。ただ少なくとも、生産性が下がるようなことはなさそうだ)
3.気分の改善が起きるのかは不明(こちらも結果にばらつきが多いため、結論付けられない)
スタンディングデスクのメリット
1.多くの文献では、一貫して「身体の不快感」の改善効果を示している(腰痛や肩こりの改善効果)
2.血圧が7〜13 beats per minuteの範囲で改善する
3.座りすぎを改善する効果は間違いなくある
ここまでのことでスタンディングデスクについてわかることは、ダイエットに使うのは難しいけれど(これは明確に無理だ!)、身体の不快感(腰痛や肩こり)には効果的だ、ということです。
ワイ的に言えば、呼吸が整いやすい、ということですな。
ということで、今回は長くなったのでここまで。もう少し詳しく書きます(ワイのスタンディングデスク体験記なども合わせて)。
続く