前回の続き
前回分:
今回も有料級の事を書く。桜井 章一の考え方を自分なりに解釈し、実践してきたよ、という話だ。
負けない、から考えるのが王道であり、正義だ!
人生最大の勝負を仕掛けたのは、2008年のリーマン・ショック後、ということになるのだが、あの頃から思い返すと、
「あのとき、欲張ってありったけの資金投下をしていたら、資産は減っていただろうな」
ということは結構あるのだ。
ブレーキとなったのは、常に「負けない」、「ゲームオーバーにならない」ことから行動してきたことが今につながってる。
一発逆転の大儲けではなく、負けないでしっかり仕掛けていき、年利5%でも10%でもいいから資金を着実に増やすことを最重要視してきた。
例えば、仮想通貨。
多くが負けて資産を減らしただろう。あの2017年度の日本人の自滅具合はまさに桜井 章一の言葉「負けの99%は自滅である」を象徴している。
FXも同じ。
ロット数を守らず、資金管理2%だとか、30pips逆行したらロスカットするなどの「損失確定のルール」を守らない。
負けたら一気に負けを取り戻そうとして、結局大負けするパターン。これも同じだろう。
正解は、
- 負けを取り戻そうとしない
- 次は大きく負けないように ストップの位置や場所を先に決める
- 資金管理を見直す
となる。
勝ちに執着することが結果として悲劇的な結果を招いてしまうのだ(ビジネスも、株も一緒)。
欲 VS 理性
どこまでいっても人間は欲に支配される。しかし、面白いもので、動物は「欲」によって動いているのではなく、どちらかというと「負けないように」行動するのだ。
人間例:
仮想通貨で儲けるぞ!!コツコツ稼ぐなんて負け組の言うことだ!
(2017年)
人間の「欲」がMAXとなった空気感があの時だったと思う。
しかし、あの時、一部の人は「暴落するから負けないように気をつけよう」と言っていたし、オランダのチューリップの球根の話など過去にあった経済史を語っていた人もいたが、最終的には人間の欲望が根こそぎ刈り取られる形となったように思う。
大半の人間は欲で行動する、というのはこういうことだ。
動物は人間以上だった?
生きることにおいて、本能レベルでは動物の方が人間よりも優れている。
例えば ライオン。獲物を食べたいと思っても必要以上に殺して食べようとはしない。
群れの中の1匹を襲って食べるわけだが、そこで10匹を殺して1匹だけ食べて、残りの9匹はあとで食べられるように保存しておく、というようなこともしない。
獲物となる側も獲物とならないように、負けないように注意しながら、行動する(群れをなすことで負けを最小限にする)。
桜井 章一の洞察力はすごいものがあって、詳しくは以下の本に書いてあるから機会があれば読んで見るといいだろう。
負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 (講談社+α新書)
- 作者: 桜井章一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 36回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
動物は負けないように行動しているが、人間は欲にまみれて行動している。動物的に負けないように行動するのが大事なのだ。
という話だ。
だから本質は「(欲望にまみれて)勝つ、のではなく」「負けないこと」が大事であって、人間界において負けないこととは、本質的には「自分に負けないこと」だ。
筋トレをして、昨日の自分を超えるとか、FXなら損失確定を絶対に守るとか、そういうことだ。
株やFXの場合、損失は嫌だ。耐えたらもっと儲かるぞ、という欲望が出てきて、そこで自分に負けて、損失ラインを解除する。
こういった行動が「自分に負けている」行動となる。
競争社会の弊害
競争社会を否定するわけではないが、ここでは「勝つことばかり」がフォーカスされる。
例えば、ニュースになるのも一時的に「すごい勝った人」であって、マスコミ的には
「1000万円をコツコツ3000万円に増やした人」
よりも
「10万円を1億円に増やした人」
の方が欲に支配された大衆が食いつく(カネになる)から、後者が話題になる。
「私は欲をかかず、毎日、淡々とやることをやって年間10%を目指して、20年かけて、資産を増やして富裕層になりました」
こういう人は表に出てこないだけでそこそこいるだろう。しかし、こういった人たちが特集されることはほぼない(これが競争社会の本質だ)。
負けない戦い、技術は教わらない害
「勝つこと」ばかりフォーカスされているから、本当に価値ある部分「負けない技術」はまったく教わることなく、経済社会で戦うことになる。
結果、負ける人が続出する。
おそらく現代人が悩んだり、苦しんだりする大部分は、「勝つことばかり」を求めるからだろう。
「負けないこと」を求めれば悩みの大部分は消えるのだ(経済的な問題もここから考えることが鉄則)。
魔法の質問を教えよう
「どうやったら負けないか教えてください」
もし君が憧れの人、年配者と会うことがあれば、この質問をしてみるといい(この一文がどれだけ価値のある質問なのかわかってほしい)。
ほとんどの物事には勝敗があると思い込んでいるが、その勝敗はその人が勝手に考えているものであって、勝ちを意識しすぎているからこそ、勝手に勝敗をつけて、それで落ち込んだりするのだ。
そうではなく、生まれたら、とりあえず勝ち。
とりあえず挑戦して、失敗しても大きく資産を減らさず、死亡せず、生きていれば勝ち、という考え方もあるのだ。
※オレは圧倒的に後者だ。
生きていれば、一時的な失敗、負けなどは単なるデータに過ぎないのだ。次そのデータを生かして「負けないこと」が強化できるなら、一時の失敗や負けは必要不可欠な要素となっていくのだ。
どんなに運動オンチでも最後まで走り切ったものは、ゴールにたどり着き、勝者となるのだ。そこに順位は関係なく、あるのは負けなかったか(諦めなかった)どうか、のみが問われるのだ。