運動をする目的は人それぞれあるだろうが、
ワイのように日々過去最強の自分(自分アップデート化)を目指したい、というマッチョな者もいれば、体をしぼりたいのだ!(古き良き時代の自分を目指して)みたいなタイプもいるだろう。
今回は、後者に絞ったエクササイズの話。
科学的な根拠を持って解説しよう。体脂肪燃焼系ダイエットは今のところこれが最新版(だと思う)。
ちなみに試験的にオーディオ版を用意したので、時間のない場合は倍速でどうぞ!
- 体をしぼるのは相当難しい?
- 運動すると、体が動かなくなる本末転倒パターン
- 運動後のカロリー求愛現象は本能?
- 運動後の食欲増を抑える方法
- 空腹エクササイズの効果はいかに!
- 空腹エクササイズの結果
- 体脂肪燃焼系「空腹エクササイズ」まとめ
- 朝食スキップ型エクササイズの注意点
体をしぼるのは相当難しい?
年齢で言えば、基礎代謝のピークは10代後半で、30歳を過ぎたあたりから基礎代謝は減少傾向にあるのだ。
画像引用元:
つまり、どれだけ走ろうが、筋トレをしようが、トータルで見た場合、食事以上のカロリー消費はできないのだ(相当難しい)。
これは科学的にも証明されていて、そもそも運動で削れるカロリーは小さいから、運動をすると、やった気がして、気が緩み、大食いをしてしまうケースも多いのだ。それは以下の論文タイトルにも書いてある通り。
参考論文:
運動すると、体が動かなくなる本末転倒パターン
運動をすると疲労感から体が動かなくなる。
これは気のせいではなくて、NEAT(nonexercise activity thermogenesis)が減るから当然なのだ。
NEATというのは、意識的に行う運動ではなくて、家事や通勤・通学など日常生活における動作で無意識に消費される熱量なのだが、それを超えてしまうと、疲労感となって日中動けなくなってしまう、というわけ。
だから運動でせっかくカロリーを削ったにも関わらず、達成感からなぜかそれ以上のカロリーを摂ってしまうのだ(人間だもの)。
運動後のカロリー求愛現象は本能?
運動したらなぜか高カロリーに手が伸びる問題は実は科学的にも指摘されていて、
- 運動する
- 体内の糖質が燃える
- 肝臓内のグリコーゲンが減少する
「肝臓内のグリコーゲンが少なくなったゾ!」
つまり、
「エネルギー不足になったゾ!」
と体が解釈するため、運動後の食事量が増えるのだ。
つまり、グリコーゲン残量が減ると本能によって、食欲が高くなる、ということ。
(運動してたっぷり汗をかいたから、ケーキくらい大丈夫だよねー!みたいな行動となってしまいがちなのはこのためだ)
これではダイエットするにも本末転倒だ。
ではどうするか?
運動後の食欲増を抑える方法
結論から言うと、空腹状態でのエクササイズだ。
例えば、朝一で、お腹に固形物が何も入ってない状態で運動をするのだ。
これは結構、興味深い理屈があって、空腹状態で運動をするとグルコースは消費されるが、同時に脂肪もエネルギー源として燃焼される。
脂肪が燃えたおかげで肝臓内のグリコーゲン量が「増える」(これは体内における糖の貯蔵量よりも脂肪の貯蔵量の方が多いからだ)。
結果、運動後の食欲増が軽減する、という話だ。
つまり、
- グルコースと同時に脂肪を燃やして糖に変換される。
- 変換された分だけ肝臓内のセンサーを刺激せずに済む。
- 食欲増を抑えられる。
空腹時にエクササイズする習慣を持つと、その後もお腹いっぱい食べよう!
というよりも、健康的な食事に意識が向きやすくなるのではないか。という検証。
ちなみに最近の実験データで参考になるものが以下。
空腹エクササイズの効果はいかに!
実験内容は、
- 対象:12人の若い男性(年齢は23歳、BMIは23.6前後)
- 実験内容:ランダムなクロスオーバー(3種類のトライアル)
で3種類のトライアル内容は以下の通り。
- パターン1:8:00AMに朝食を食べる → 3時間の休憩 → 好きなだけランチを食べる
- パターン2:8:00AMに朝食を食べる → 2時間の休憩 → ピークパワーの50%で1時間のサイクリング → 好きなだけランチを食べる
- パターン3:朝食を食べない → 2時間の休憩 → ピークパワーの50%で1時間のサイクリング → 好きなだけランチを食べる
朝食アリと朝食ナシでその後の食欲にどれぐらいの差がが出るのかをチェック。
※朝食は普通のオートミールなどで、430kcal前後。
空腹エクササイズの結果
- 朝食を食べてから運動をせず、好きに昼食を食べた場合の1日のカロリーバランス=+492 kcal
- 朝食を食べてから運動をして、好きに昼食を食べた場合の1日のカロリーバランス=+7 kcal
- 朝食を抜いてから運動をして、好きに昼食を食べた場合の1日のカロリーバランス="-400 kcal"
肝臓内のグルコースレベルは、昼食の摂取量と正の相関を示した(r=0.62)
という結果になったゾ、ということが書かれている。
引用元:https://eprint.ncl.ac.uk/254915
Skipping breakfast before exercise creates a more negative 24-h energy balance: A randomized controlled trial in healthy physically active young men
というのは、
運動前に朝食を抜くと24時間のエネルギーバランスがマイナスになるぞ!:健康な若い男性を対象としたランダム比較試験の結果
ざっくり訳すとこんな感じ。
運動をせず普通に食事したグループがカロリーオーバーになるのは当然なのだが、
朝食を「抜いて」から運動したグループはその後の昼食でも大食いが減り、結果として1日のトータルカロリー(バランス)がマイナスになったのだ。
仮説どおりの結果が出てゾという意味で興味深い実験だと言える。
体脂肪燃焼系「空腹エクササイズ」まとめ
今回の実験は短期間なので、中長期のデータはない。
ただ、朝食を抜いたあとで運動をすると過食が起きにくく、1日のカロリーバランスがマイナスになる傾向がある。もちろんこれは少人数の実験なので、必ずしも同じような結果になるとは限らない。
個人的には、空腹時の運動は体脂肪の燃焼に直結している感はある。
その根拠としてもメタ分析があるので、あながち間違いではないだろう。
ワイとしては、「朝食なしの運動」で効果を得やすいのは、運動するから食欲が増してしまうのだ!というタイプ。
または、できるだけで短期集中型で体脂肪を削りたい!というタイプ。もしくは、体脂肪計に乗って、じわじわ削っていくのが快感だと感じるタイプ。
このあたりだろうか。
ワイの場合は、もう何年も朝食(固形物)はナシ。
軽めのウォーキングかステッパーでの読書(大体毎朝30分くらい)が日課で、もはや運動後の食欲の変化はわからないのが正直なところだ。
朝食スキップ型エクササイズの注意点
朝食ナシのエクササイズのポイントはあくまで強度は50%くらいまでにするべきだろう。
強度を抑える代わりにじわっと汗が出るくらいの時間をかけるのがポイント(30分~1時間)。
ハード運動をすると、中長期の継続が難しいのと、日中動けなくなる可能性が高くなるため、この時間帯の目的は体脂肪燃焼用のエクササイズと割り切って、ゆるく継続することが肝だろう。
追伸
エクササイズ(健康)などの分野は特にそうだが、自分が知りたいことは、大体論文ベースで検索をかけていけばヒットする。
こういった情報は書籍となるずいぶん前に秒で入手可能なのだ。英語の勉強にもなるので、一石二鳥でおススメ。自分が知りたいことを英語を駆使して調べて、単語も一緒に拾っていくのだ。
論文の読み方は以前解説した通りなので参考にされたし。